マリウスを観れて本当に良かった。
マリウスの感想をどうしても残したくて、はてなブログを開設しました。
読み返した時に映像がブワッて戻ればいいなあと思ってコツコツ書きます。
書き出したら膨大になり過ぎたので、この記事ではマリウスのストーリーとキャラクターについて、もう1つの記事で照史くんへの想いの丈を綴る事にします。
※歌詞など記憶を頼りに書いています。間違いございましたらお知らせください。
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5回目のマリウスを観てきました。
何回観ても飽きない!!!
何回観ても好きだ!!!というのが率直な感想です。
1931年のマルセーユ。
いろんな国の船が立ち寄る港町のカフェ。
セットが細部までほんとに素敵で、一瞬でマルセイユに連れて行ってくれる。
そしてみんなのレトロな服装がほんとにいい!!!
マリウスがフランス国旗🇫🇷みたいな色合いでめちゃめちゃかわいい。
のんびりと平和で、ゆったり時間が過ぎていく港町。
いろんな民族の人たちがいて、いろんな仕事を持つ人たちが集まる場所にいるマリウスは、きっと海の向こうにずっと憧れを持ち続けていたんだろうなぁ。
町の人たちがマルセーユの歌を歌っている間、無邪気に船の模型で遊ぶマリウスが本当に可愛すぎるっっっ!!!
帆をふぅーーーって吹きながらニコニコしてるの。
まるでちっちゃい子が初めておもちゃを買ってもらった時みたいに…
純粋に船が、その船が連れて行ってくれる海の向こうが大好きなんだなぁ…って。
それなのに歌では『お前どこへゆく?』とマリウスの心がここにない事を示唆する歌詞で…
そんな人を愛してしまったファニーは毎日どんな気持ちやったんかな。
まさに《あゝ、何故愛してしまったのか!》
メインストーリーの隣で繰り広げられているサイドストーリーがめちゃめちゃ濃いのもマリウスの特徴かな?
人数が多いこともあって、よく見たら!ってシーンが散りばめられてる。
プティとニャの初々しい恋愛以外にも、ニャにアプローチするトトやお金持ちの夫人、フラメンコを習っていた町娘が2幕にはどっからどう見ても娼婦になってたりとか…酔っ払いが海にゲロゲロなってるのは笑ってしまった笑
あと、ジプシーの踊り子がおじいさんから金を巻き上げるのは最初??ってなったけど、
私的には踊り子と歌い手、おじいさんが仲間で憐れみで貰ったお金と芸で稼いだお金を4人で分けて暮らしてるのかなぁとか。
プティとニャが自己紹介をしている間、右でマリウスがブランさんと無音のお芝居をしているのですが、1回爆笑している時があって…
いつも何の話してるんやろ。
そして「おーい!ファニー!」って呼ぶシーン。
彼女でもない幼馴染を呼んでるだけなのに、明らか嫁を呼ぶ言い方だよそれ…
素直にはーーーい!って出てくるファニーもめちゃめちゃ可愛い。
しかもその後が
『マリウース!』
「ファニー♡」
『何考えてるの?』
「お前のコト」
…アツアツか。
これで付き合ってないとかなんだそれ。
…これで付き合ってないとかなんだそれ!!!!!
すぐに嘘ばっかり!って一蹴されちゃうんやけどね笑
2人で仲良く踊ってるかと思えば船の話して不安にさせちゃうし…
ほんとに女心のわからんオトコだわ。
最初はファニーは押せ押せって感じでアピールしてたのに、だんだん大人になっちゃって…
一方マリウスはファニーが求婚されて、その相手に胸覗かれてるのを目の当たりにしてやっと自覚するってなんなの???
あからさまにヤキモチ焼いてぶすっとして。
好きだけど俺は海に出るから…ってなってたのにやっぱ好き!他の男とかふざけんな!って事でしょ?
自分勝手かよ←
自分勝手で女心が全然わからないマリウスに素直に気持ちをぶつけるファニーがめちゃめちゃ可愛い。
本当に好きなんだなって。
そしてマリウスが自分の事を好きなのをちゃんと確信してるんだなって。
年の差は4歳あるにしても、精神年齢でいうとファニーの方が上だねー絶対。
でも、普段の振る舞いとかはマリウスがちゃんとお兄ちゃんで。
ファニーが泣いてたらオロオロしちゃうしちょっと情けないとこもあるけど。
でもちょっと様子が辺ならちゃんと親身になって話を聞いてあげる。
適当なんじゃなくて、ファニーの事をちゃんと真剣に考えているからこそあんな態度をとっちゃう。
うん、マリウス好きだわ笑
マリウスが非道じゃないからこそあれだけの熱量のファニーの想いにハッとさせられて、やっと身も心も繋がれたのに…あんな悲しい事が起こるなんて。
せっかくお互いの気持ちがはっきりしたのに、ファニーは登場してから全然笑顔じゃない。
ずっと悩んで悩んで考えて考えていたんだろうなぁ。
『恋より大事なものがあるのよ』
の一言になぜマリウスがあそこまで怒ったのか私にはよくわからなかったけど、
でもファニーの気持ちは痛いほどわかる。
ずっと一緒に生きて行きたいほど大好きな人が、自分といる事で不幸せにになると思ったら…
マリウスの背中を押す事しか、ファニーの心の中には無かったんだと思う。
自分の幸せよりもマリウスの幸せを願って嘘をついて、最後は誤解されて当たられて...
「お前はパニスの金庫と夫婦になる。俺は海と夫婦になる。その方がいいんだろ!」
って酷過ぎでしょ。
そんなにひどいことを言いながらも最後はぎゅっと抱きしめて去っていくマリウスが罪深い...
そんなことしたら離れられないのわかってるでしょ??
もうセザールとファニーが二人で手紙を読むシーンなんか涙なしには観られない。
あんなぶっきらぼうで自分の気持ちを素直に伝えられないセザールが、素直にどれだけマリウスのことを心配しているのか、どれだけ想っているのかを訴えかけて。
そしてファニーよお前はなぜそんなにも健気なんだ!!!!!!!!
ほんとに19歳の少女なのか???????
慈悲深いにもほどがあるぞ???????
ここでマリウスとファニーが掛け合いをしながら歌う歌が大好きで。
『それは言わないの、セザール
マリウスは憧れの海の上で
海風をいっぱい胸に吸って
幸せな毎日を過ごしてほしい
それが私の幸せなの ほらここに書いてある、ほらここに』
あんなにひどいことを言われながらもマリウスのことが大好きで大好きで
いつまでも一途に思い続けるファニーの気持ちを考えるとほんとに切ない。
その返事としてのマリウスの歌も違う意味でほんとに切ない。
「僕は今幸せです
水の中の魚のように
空を飛ぶカモメのように」
『いいのよ それで それでいいのよ』
「船の帆が風にはためき 波が舳先ににこすれる音を聞きながら
僕は今幸せです」
マリウスの幸せを思って背中を押したのに、それで幸せじゃないですとか言われらたまったもんじゃない。
でも「幸せです」と言ってる顔が全然幸せそうじゃなくて。
さみしくて辛くて、でも自分の夢を最優先してこの選択をしたんだから「幸せです」と言うしかなくて...そんな表情。
自分が選んだ道が間違っていたとも言えないし、それでももしもう一つのの道を選んでいたらという思いが頭から離れない。
違う男の妻になったと頭ではわかっていても愛してる気持ちは変わらないし揺るぎない。
1年半の歳月が流れてマルセイユに帰ってきた時も、ファニーに「幸せなんだろう?」と必要以上に尋ねるマリウス。
それはただマリウスが安心したいだけでしょ??
『幸せよ』ってファニーの口から言ってほしいだけでしょ??
自分がいなくてもファニーは幸せだったって。
あの時の自分の選択は間違ってなかったって。
ずっと待ってた女から言わせるとなぁ!
お前がいなくて!幸せなはずないでしょうが!!!!
一番好きな人が隣にいなくて!幸せなはずないでしょうが!!!!
『港でうわさを聞いたの...』ってその時のファニーの気持ちを考えたら胸が締め付けられる。
マリウスが帰ってきたと知ってきっとカフェまで走ってきたよ?
泣きそうになりながら走ってきたんじゃない?
やっとまた大好きなマリウスに会えると思って、びっくりした気持ちとうれしい気持ちとどうしようという気持ちがごちゃまぜになりながら。
マリウスは情けないしやきもちやきだし、
せっつかないとちゃんと気持ちを言ってくれないし避妊しないし
挙句の果てに相手の気持ちも考えずに勘違いして怒るようななかなかのクソヤローだけど、自分の夢をしっかり持って前向きで、ずっと一人の女性を一途に思い続けて愛し続けるマリウスが大好きです。
カッとなったときは自分の気持ちを出してしまうけど、離れて落ち着くとそんな自分の許しを請い続けてるのがほんと…
「俺を許してくれ
俺の過ちを」
結局セザールが言うように、マリウスが欲しいのは子供でも安定でもなくただファニーだけで。
だからファニーが自分しか知らないと知った瞬間にあんなに目が覚めたようになる。
そしてセザールが父親として人として、マリウスを想って叱咤するシーンは本当に泣ける。
「その5キロはな、情愛の5キロだ
情愛ってのはやたらめったら軽いんだ」
ファニーが他人の男のものになってしまった、しかもその男の子供を産んだって事に周りが見えなくなってしまっているマリウスを必死に叱りつけるセザール。
最後の最後に帽子を取り、マリウスの胸に顔を埋めて別れを告げるシーンでもう涙腺崩壊😭😭😭😭
ちゃんとファニーと話すときは2人きりにしてあげて、最後はちゃんと別れを惜しんでくれて、お父ちゃん…!ってもう涙がダーーーーー。
最後まで未練を残しながらも、やっぱりマリウスは海の向こうへ行っちゃうんだね。
ファニーやセザールにどうしても感情移入してしまうけど、私はマリウスの気持ちもすごくわかるしどちらかと言えばマリウス派なのかなーと。
毎日同じところで同じことを狭い行動範囲の中で過ごして一生を終えるのは本当にゾッとする。
今だからこそ気軽に海外に行けるけど、当時はもう今とは全く違ったんだろうなーって。
スペインに1年も留学に行けて、本当に恵まれているなと改めて思いました。
最初にマリウスを観たときは結婚して、船乗りになれば??そうすればどっちの夢も叶うよね??って思ってたけど、やっぱ当時の価値観というか常識は違っていたらしい。
未婚の母も、片親もナンセンスだったと。
マリウスからしたらそんな中途半端な状態でファニーを1人マルセイユに残しすなんて出来ないし、ファニーも自由になりたがっているマリウスを縛り付けなくない。
この結末は悲しすぎるけど、でもお互いがお互いを心から想っていたからこその選択で。
葛藤に苦しむマリウス、好きな人の幸せを一番に考えるファニー、不器用だけど誰よりも熱い男セザール、誰よりもまともなオノリーヌ、優しさの塊のパニス、冷静に周りを見れるブラン、誇り高きエウカルトフィグ、笑いをかっさらう近視の郵便配達、うっかり者だけど聞き上手なクロディーヌ、誰のことも傷つけない可愛いトト、癒し的存在のプティとニャ、いつも壁を取っ払ってくれるピコアゾー、世界の広さを教えてくれるボーズン、チームジプシー、娼婦、ロシア人、べっぴんさん、酔っ払い、アラビア人、町の人々...
正直照史くんが出演するから観に行こうって感じだったけど、こんなに自分の中で大きな作品になると思ってなかった。
こんなに大好きになると思ってなかった。
こんなに終わるのが悲しくて悲しくて仕方なくなるなんて思ってなかった。
マリウスを観に行けてよかったと心の底から思います。
そして、いつか翼くんのマリウスも観てみたい。
そして願わくば、翼くんと照史くんのフラメンコの共演が実現しますように。
全30公演、本当に本当にお疲れ様でした。
素敵な作品を本当にありがとう。
いつか必ずマルセイユに行きます!!!